5/2の聖書のいづみは休会でした。
最近、憲法と選挙について考える機会が増えました。この二つは、民主政治を機能させる仕組みです。
憲法は民主政治の暴走を防ぎます。「多数の優位」は「過半数の暴走」を招くかもしれません。権力の集中は「少数の専横」を招くかもしれません。憲法は「人権の砦」として少数者の人権を保護します。また憲法は、立法・行政・司法と三つの権力を互いに牽制させ、均衡を取ろうとさせます。権力の集中も「少数の専横」の要因だからです。
選挙は民意を議会(立法機関)に反映させる仕組みです。たとえばある国に4つの政党があったとし、国会の総議席数が1000だとします。政党支持率の分布が、それぞれ4対3対2対1だったときに、400・300・200・100議席ずつを獲得することは合理的です。正当な選挙は「多数の優位」を成立させる条件です。どの程度の多数(ないしは少数)であるかを測る必要があるからです。
政治に対する現在のわたしたちの虚無感は、上記の仕組みがうまく働いていないことに対する失望から来るように思えます。3割の支持率で7割の議席を占める衆院選挙、自己都合で解散・総選挙を打つ政府与党、誰も監視も牽制もできないまま肥大化する行政、違憲審査をしたがらない司法。政治不信です。
深刻なのは政治不信が政治離れを引き起こし、無党派層を増加させることです。それは選挙の棄権や「風だのみの選挙」を誘発し、ますます憲法の定める代表制民主政治制度(間接民主制)を空洞化させていきます。「過半数の暴走」「少数の専横」がまかり通るのです。
日本国憲法は規律密度が低い憲法と評されます。行間が広く、細かく規定し過ぎない、解釈の自由度が広い条文です。現行憲法で定められている自治の仕組みは、目指している目的も含め、改正するまでのものではないでしょう。問題は仕組みを機能させる仕組みづくりです。憲法の直下の法律で、制度の逆機能(抜け道)を戒める制約や、制度の目標を促進させる仕掛けを設ける必要があります。
たとえば主権者教育と人権教育を強化する仕組み、衆院解散を制約する法律、政党を定義する法律、野党に手厚い助成をする仕組み、国会を通年開催し逐条審査をさせる仕組み、国会・地方議会一貫した考えの選挙制度、一般的国民投票や請願を実効的にする法律、三権を監査する機関の設立。さらに、これら民主政治制度について長期的視野で常に審査する機関の設立などが考えられます。JK