2020/10/21今週の一言

10月24日に日本バプテスト連盟の総会が初めてオンラインで行われます。例年11月に天城山荘において二泊三日で行われていた「定期総会」とは異なり、今回の総会は「臨時総会」です。

新型コロナウイルス感染対策のために300人規模で集まることを断念したことがそもそもの事の始まりでした。所轄官庁に届出ている宗教法人日本バプテスト連盟の規約には毎年の総会開催が規定されており、そこで決算等の承認がなされなくてはいけません。ところが、規約および総会規則には「書面で決議できる」という定めがありません。この定めなしで書面のみの総会を行う場合、全会一致のみが法的に有効とみなされるのだそうです。なぜならそこに「討論」がないからです。

その一方で規約および総会規則にはオンラインでの総会決議を無効とするという定めもありません。また、オンラインには不十分ながらも「討論」が行えるという利点があります。そこで理事会は、臨時総会をオンラインで行い、総会規則に「書面で決議できる」旨を書き加える改訂をし、それを前提にして定期総会を書面のみの決議で行う方針を定めたのです。順調にいけば2021年2月24日に定期総会が、これまた史上初ですが、書面のみで行われる予定です。しかも、理事選挙の年にも当たっているので、予備選挙だけではなく本選挙も事前に郵送で投票することとなります。

全く予期しなかった事態のもと、重大な「社会実験」が今行われつつあります。昨年度から「総会検討委員会」がこれからの連盟総会のあり方を検討していますが、確実にこれからの連盟総会はパンデミックにも対応可能なものにならなければなりません。それは書面決議やオンライン参加の併用というものにならざるをえないでしょう。ところが現行の規則のまま書面決議やオンライン参加を可とすると、論理的には次のような事態も起こりえます。

例年300人ほどの代議員数が900人ぐらいになりえます。290の加盟教会すべてが定数3名を満たし、理事・監事・総会役員が役職上の代議員となればありえます。この現象は加盟教会の議決権が平等に行使されるという点や、連盟総体の民意を知る上でも良いことです。しかし、今まで90ほどの教会が欠席していたことや、予算規模が小さな教会はせいぜい一代議員しか立てられなかったことを考えると、恐るべき破壊力が潜在されていると言えます。いつも可決されていた議案でさえも否決される可能性があるので、理事会側の説明責任が厳密に問われます。また教会が合議・熟慮して投票できる理事選挙となります。JK