2020/11/11今週の一言

執事会は日本バプテスト連盟総会に教会提案を提出することを決めました。それは連盟規約・連盟総会議事規程の一部を改正するという提案です。

現在の規約13条2項は、規約に別段の定めがない場合は議案の可決には過半数の賛成が必要と規定しています。この条文を根拠にすると、不動産にかかわる理事会提案でも過半数で決議されてしまいます。連盟の基本財産のうちでも特に重要な天城山荘でさえ過半数決議で構わないとすることは、加盟教会にとって納得しづらいことであると考えます。

そこで、規約13条2項を「総会議場でも採決方法を定めることができるように改正する」という提案をいたします。また規約13条2項を施行段階で保障するために、総会議事規程20条も改正します。議長に対して採決内容と採決方法を議場に明示することを義務付け、議長の「採決の宣言」後にも採決に関する動議を議場が提出できるようにするという改正です。

これらの規約改正・総会議事規程改正は、「自治の土俵(ルールや枠組み)」を自分たちで決めるという営為です。そのような重要なことを一加盟教会が提案して良いと考えるところにバプテスト/民主政治の特長があります。

民主制は、「民が主である」という政治体制です。その理想は統治する者と統治される者が同じ人であるということです。だから直接民主制こそ民主政治の理想です。それは全員で集まって全員に関することを何でも決めるという仕組みです。スイスのとある村では数千人の村民総会があります。そこで村民の生活に関して村民全員が直接賛否を問うのです。また、住民投票や国民投票で物事を決めることも直接民主制の一形態です。同じくスイスでは国民投票が頻繁に行われます。一度だめでも何度でも提起する権利が主権者国民にあるのです。

再び連盟の話に戻しましょう。加盟教会を単位とする時、一教会でも総会に提案できるということは直接民主制要素が強いということを意味します。教区制を採る教派は間接民主制要素がより強いと言えます。しかし連盟総会には代議員という教会代表しか参与できません。代表という考え方は間接民主制用語です。泉教会の代議員は泉教会の執事会が選任しています。執事は泉教会総会の選挙で選ばれた教会代表です。ここに選挙の重要性と同時にその限界が示されます。選挙によって選ばれた代表たちの集まりは教会/連盟/社会の縮図とならなくてはなりません。ところが精緻な選挙制度であっても必ず粗い部分がありますし、唯一無二の存在である個人の集合を完全に代表できる個人は存在しえないのです。JK