2022/06/22今週の一言

日本バプテスト連盟は「協力伝道体」と自称しています。一つの教会ではできないことを、各教会が少しずつお金や人や知恵を持ち寄り協力してイエス・キリストを宣べ伝えるために働く団体であるという趣旨です。

その代表的な働きに「献身者の共有」ということがらがあります。「教会に専従して奉職することを志す者(代表例:神学生)」、「現に教会に奉職している者(代表例:主たる牧師)」、「教会での職務から退いた者(代表例:引退教役者)」を、ここでは総称して「献身者」と呼びます。

バプテスト教会は万人祭司を唱え、牧師の存在を相対化しています。牧師は身分ではなく職分であるとし、秘跡(救いの条件行為)としての「按手礼」や「バプテスマ」「主の晩餐」を否定しました(カトリックや正教会と異なる)。儀式の執行者に「宗教的ありがたみ」は不要としたわけです。しかしその一方で牧師職を存置しました(クエーカーや無教会と異なる)。

バプテストの保守本流は、各教会は自らの教会員の中から牧師を擁立することです。しかしその原理原則は現実的には貫くことが困難です。そこで地方連合や全国連盟などを結成して神学校を共同経営し、献身者を送り込み牧師として養成し、教役者を加盟教会間で転任させていき、引退後に年金を支給するという仕組みを構築してきたのです。大まかに現在日本バプテスト連盟は、およそ300の教会で300人の献身者を共有しています。

「神学校献金」の主な使途は、教派神学校である西南学院大学神学部学生の授業料と生活費の奨学金です。授業料部分は、日本バプテスト連盟の教役者として3年間奉職すれば返還免除される条件付き「給付scholarship」です。生活費部分は10年間で3分の1を返還する優遇された「貸与student loan」です。協力伝道の一環として献身者を支えるという加盟教会の責任を果たしたいと思います。JK