2022/07/27今週の一言

いづみ幼稚園の1学期が終わりました。4月から7月までの幼稚園の歩みを神さまに感謝しつつ振り返っています。というのも、幼稚園が良い方向に回り始めたことを実感しているからです。帆船が良い風を受けて目的の港にぐいぐいと進んでいるような感覚を与えられています。

何が変わったのかというと、発想の出どころが変わったのです。今までは「上と下の線」、「前と後の線」が強い保育であり組織でした。上意下達が、教師から子どもへ、先輩教師から後輩教師へ行き渡っていました。教師は前に立って、後に続く子どもたちを常に先導する役割でした。この二つの直線は、権威主義を助長し、民主的な人間を育成することを阻害していたかもしれません。

今年度、その雰囲気ががらりと変わりました。子どもを真ん中に置き、子どもを前に出すことによって、水平の線が強くなりました。上から見れば円を描く曲線です。回転させれば球となるような関係性が、教師と子ども、子どもたちの間、教師間で形づくられつつあります。誕生日を個々人のものとして祝うこと、子どもの発見や驚きを保育に採り入れること、行事と日常の保育を円環させること、何よりも教師たちが尊重し合って話し合えるようになること。

キリスト教信仰とキリスト教主義教育は、工夫をしないとうまく重ならないと思います。教会は幼稚園を布教の道具としてはいけないし、幼稚園は「神をも畏れない不遜な人」を育ててはいけません。工夫とは、つまり、神の国に真っ先に入りうる子どもたちを第一にし、真ん中に置くということです。大人も子どもも互いに仕え利他的な民主社会の一員になるように育ち合うことです。JK