2022/10/12今週の一言

【ルツ記1章】

2 そして/しかしその男性/夫の名前はエリメレク、そして/しかし彼の女性/妻の名前はナオミ、そして/しかし彼の息子二人の名前はマフロンとキルヨン、ユダのベツレヘムから/出身のエフラタ人たち。そして彼らはモアブの野(に)来ました。そして彼らはそこに居ました。

3 そしてエリメレク、ナオミの男性/夫は死にました。そして彼女は残されました。彼女と彼女の二人の息子が(残されました)。

 聖書を原典で読むことの魅力は、翻訳の可能性の幅や言葉遊びを知ることにあります。そこで、複数の可能性をスラッシュ記号(/)と下線(  )で示すことにします。スラッシュは「ないしは」という意味です。たとえば上記の2節に三回登場する「そして/しかし」は、「そして」ないしは「しかし」と翻訳されうる一単語が使われているということを意味します。頻出接続詞「ウェ」です。

 2節にはルツ記の登場人物たちの名前が紹介されています。「エリメレク」という名前の意味は、「わたしの神は王」です。イスラエルにとって真の王は、人間の王ではなく神のみであるという主張が暗示されています。2節・3節に同じ単語「イーシュ」が「男性」という意味と「夫」という意味で用いられています。

 「イーシュ」と対応している単語が「イッシャー」です。「女性」とも「妻」とも訳しえます(2節)。ルツ記はイッシャーの物語です。「ナオミ」の意味は「私の心地よさ」です。「個人的なことは政治的なこと」と言われます。個人の幸福の追求というものが何であるのか、このこともルツ記の主題です。

 夫妻には「マフロン」と「キルヨン」という名前の息子たちがいます。しかしこの名前の意味は芳しくありません。マフロンは「病気」、キルヨンは「破滅」です。何と不吉な。「しかし彼の息子二人の名前・・・」とも訳せます。JK