2022/10/19今週の一言

【ルツ記1章】

4 そして彼らは彼らのためにモアブ人の女性たちを上げました/担いました/とりました。その一人の名前はオルパ。そして/しかしその二人目の名前はルツ。そして彼らはそこに約十年住みました。

5 そして彼らの二人ともマフロンとキルヨンは死にました。そしてその女性/妻は残されました。彼女の息子たち二人から、また、彼女の男性/夫から(残されました)

6 そして彼女と彼女の義理の娘たちとは起きました/立ち上がりました/復活しました。そして彼女はモアブの地から戻りました/立ち帰りました。なぜなら彼女がモアブの地で聞いたからです。ヤハウェが彼らのためにパンを与えるために彼の民を訪れた/臨んだと。

 4節「彼らのために」とあるように、マフロンとオルパの結婚と、キルヨンとルツの結婚は、男性たちのため・男子を生むため・家の継続のための出来事です。結婚を「担う」という動詞ナーサーで表すことは、女性から職業を奪うことが男性にとっても負担になることを示唆します。物語の伏線です。

 5節は息子たちからも先立たれたナオミが家制度の外に放り出された悲劇を告げています。家族四人で来たモアブの地にナオミだけがただ一人残されました。「残りの者」への特別な祝福は聖書全体を貫く主題です。

 「起きる/立ち上がる/復活する」(動詞クーム)は出来事の開始を表す表現。「戻る/立ち帰る」(動詞シューブ)は預言者たちの発する警告の際の常套句です。パンを与えようとするヤハウェこそ己の神だと信じるナオミの心情をよく示しています。そのナオミの心情を二人の女性たちは自分たちの心情としています。6節冒頭の主語はナオミ・オルパ・ルツ。残されたのは一人ではなく三人です。JK