4/19今週の一言

4月19日の「聖書のいづみ」では出エジプト記34章23-24節を学びました。出エジプト記23章17節に並行記事があります。また、申命記16章16節には、年に三度の祝祭が除酵祭(過越祭)・七週祭・仮庵祭であることを厳密に規定する記事もあります。

原文の語順を参考にすると、この23-24節には「集中構造」と呼ばれる構造があります。それは、同単語や類似内容の繰り返しや囲い込みによって、段落の中心・中核が形成される文章の構造のことです。具体的には以下のような段落の造りです。

A 年に三度

B 神・主の御前に出る

C あなたの前から国々の民を追い出し

D あなたの国境を広くする(動詞ラハブ)

C´だれもあなたの土地を侵すことはない

B´神・主の御前に出る

A´年に三度

AとA´の「年に三度」という全く同じ熟語が、原文では段落の冒頭と末尾に置かれ、全体を囲い込んでいます。一番大きい外周となります。次にBとB´の「神・主の御前に出る」という表現がその内側を囲い込んでいます。さらに、Cの「外国を追い払うこと」と、C´の「外国からの侵略を許さないこと」が、類似表現として対になっています。こうして、段落の中心があぶり出されます。それはDの「あなたの国境を広くする」という神の約束です。

この中心部分である「神が国境/領土(名詞ゲブル)を広くする」という約束は、申命記12章20節・同19章18節に繰り返される言葉です。背景にはユダの王ヨシヤの領土拡張政策があります(列王記下23章)。今日の24節も、ヨシヤ王の時代に付加されたのでしょう。現在、世界中に広がる「自国ファースト」の偏狭な国家主義に似ているという点で、批判的に吟味しなくてはいけない聖句です。

ただし、「神が広い場所を与える」ということは、聖書の伝える救いの重要な側面でもあります。例えば、ペリシテ人と井戸所有をめぐって葛藤を経験し、その後和解の食事をしたイサクも、共存共栄できる「広い場所(レホボト:動詞ラハブから派生した名詞)」を与えた神を賛美しています(創世記26章22節)。

年三度に限らず毎週の礼拝を、多種多様な人々の集まりうる「広い場所」とする努力が、わたしたちに求められています。JK