今週の一言 2013年6月13日

6/13の祈り会ではイザヤ書7章1-17節を学びました。

 クリスマス物語で有名なインマヌエル預言は、元々は戦争の最中の政治的発言でした。

 アラム王国と北イスラエル王国が同盟して南ユダ王国に侵攻しました。その際に南ユダ王アハズはアッシリア帝国との軍事同盟によって、急場をしのごうとします。預言者イザヤはそのことに反対でした。軍事同盟に対して軍事同盟で対抗することは報復の連鎖しか生まないからです。また、アッシリア帝国はアラム・北イスラエルだけを滅ぼすことに満足せず、いつか南ユダをも侵略するだろうということを予見していたからです。北の預言者ホセアと同意見です。

イザヤが推奨したことは、「神のみに信頼すること」でした。イザヤはアハズ王に次のように言いました。「あなたの恐れているアラム王国も北イスラエル王国も永遠に続くものではありません。アッシリア帝国でさえそうです。うつろいゆくものを信用して不安定に生きるよりも、いつも揺るがない神にのみ信頼しなさい。神の導きに常に『アーメン(その通り)』と相槌を打ちなさい。」

アハズ王は軍事力や軍事同盟を「神」としていました。軍備が彼にとって「神、我らと共に」という状態でした。だからアッシリア帝国の後ろ盾で安心していたのです。それに対してイザヤは、とある女性の出産と「神、我らと共に」とを関係付けます。戦争の際には被害者になりがちな産婦と赤ん坊が、「神、我らと共に」の象徴なのです。

イザヤは王に続けて言います。「ある女性が赤ん坊を生みます。彼女はその名前をインマヌエル(神、我らと共に)と名付けます。この赤ん坊の分別がつくころには(10歳ぐらいか)、あなたが恐れている二つの国は滅びるでしょう。」

昔も今も軍拡競争というものは常に相乗作用でエスカレートするものです。軍備によって安心を得ようとすると、皮肉なことに不安が募るばかりなのです。本当の安心は丸腰によって与えられます。神のみに信頼すると、その他のものに頼る必要がなくなります。神のみを畏れると、その他のものを恐れる必要がなくなります。(JK)