2017/08/23今週の一言

夏休みの終りと共に「余暇の神学」の考察を終えるのが、主題的にもふさわしいことと思います。そうです。この連載も、牧師・園長の余暇を利用した「暇つぶし」だったのです。ただし、内容は真面目なものと自負しています。

お隣の日本キリスト教団において「2030年問題」と呼ばれる課題があります。2030年には高齢化により教勢が激減することが今から予測されているのだそうです。日本バプテスト連盟も数年前から教勢の微減が続いています。結成70年を迎えて、今までの伝道・布教活動と教会形成のあり方について総括が求められています。各地で「協力伝道会議」が開催され、今までの振り返りとこれからの展望が話し合われる予定です。11月の連盟総会においても、「従来の考え方の枠組みそのものを変えることparadigm shift」が、提起されようとしています。

泉バプテスト教会においてはparadigm shiftが起こっています。「伝道用のプログラムやイベントを企画すると教会員が増える」という従来の考え方を踏襲していないからです。それでも教会員が増えています。だから人間の行為によって増えるという従来のparadigmが問われています。増えるか増えないかは神のみぞ知ることなのです。仲間を増やす方法については思い煩わない方が良いでしょう。

逆に教会という任意団体から構成員を減らす方法はすぐに思いつきます。気まずい雰囲気、険悪な雰囲気、排他的な雰囲気をつくれば良いのです。それを防ぐようにすれば、最低限構成員の減少を食い止めることはできます。工夫の一つが「共に居ないこと」です。どんな仲良しでも長時間共にいると摩擦が生じうるからです。

「兼職の牧師は一人前ではない」「牧師を専従で雇えない教会は一人前ではない」という考え方は、今でも根強くあります。それを理由に夫婦の牧師を二人共雇用しない教会もあります。当教会においては、「牧師が平日幼稚園に勤務をしているので、余暇を作ってやろう」という教会員の意思が、日曜日の午後を暇にする原動力の一つになっています。何のことはない。それは牧師が、その他の教会員と同じ地平に立つということです。労働者は、月曜日の仕事のことを考えたら、日曜日の午後あたりからそわそわし、家に帰りたくなるものです。半人前どころか、成熟した配慮が牧師・教会員間で相互になされています。

真の休みが労働の価値を高めます。教会「が」休み、教会「で」休むことが大切です。聖なる遊び・神の前でのレクリエーションとしての礼拝を、これからも楽しみましょう。そして礼拝以外の忙しくなる要素をなるべく避けて、日本一暇な教会を目指していきましょう。あ、パーティーは別です。雰囲気が良くなるので。 JK