8/27の日曜日の午後、北区の赤羽にある東京北キリスト教会の「伝道開始30周年記念式」に出席しました。魯孝鍊(の・ひょりゃん)牧師・細井留美副牧師・米本裕見子協力牧師(女性連合幹事)が牧会する教会です。魯・細井ご夫妻は、松﨑準さんと西南学院大学神学部で同期生だとのこと、親近感が湧きます。
30年間に渡る東京北教会の歴史は苦闘の連続です。それは東京23区内で教会を創設し、専従の牧師を雇いながら教会形成をする場合の苦労です。世界一とも称される東京の地価の高さが原因です。
1987年に開設された東京北伝道所(母教会は茗荷谷教会)は、教会組織をした後も、今に至るまで借室をしながら教会形成・伝道活動を続けています。17坪のビルの一室(礼拝用)の家賃が月額15万円、牧師館の家賃が10万円、計25万円が毎月支払われています。。17坪は30名座ったらかなりきついと感じる狭さです。累積の家賃支出総額を単純計算すれば1億円を超えます。
家賃は経常会計を圧迫し、年金受給をしている牧師を雇用することで凌いだ時代もありました。しかし、教会は大いなる賭けに出て、2007年から現在の牧師・副牧師を招聘しました。そこから教勢は伸び始め、特に若い家族が増えましたが、いかんせん礼拝で35名以上集まれないので、物理的に収入は頭打ちになってしまいます。ジレンマです。
この状況を打開すべく、東京北教会は来年度日本バプテスト連盟の「地域協働プロジェクト」に名乗りを上げて申請することを決めました。連盟全体にとって有為なプロジェクトに数千万円の補助がなされるという仕組みです。許認可の要件は、東京地方連合内に一教会以上の共同提案教会が存在すること、東京地方連合総会で賛同を得ること、日本バプテスト連盟総会が承認することの3点です。
東京北教会は、土地を購入し会堂を建て、その会堂を用いて赤羽地域のマイノリティの人々、特に外国にルーツを持つ人々のセンターになろうとしています。赤羽駅は様々な鉄道が行き交う交通の要衝であり、多くの人々が流入しています。外国籍の人々も非常に増えています。そこに国際結婚をしている牧師夫妻が赴任したのです。魯・細井両牧師にしかできない民族的少数者に開かれた教会形成が展開され、全国諸教会に紹介されることを期待しています。
記念式の最後に、集う全ての教会が「共同提案教会」になってほしいとお願いされました。
翻って泉教会は恵まれていると感じました。1949年にドージャー邸が下馬にあったという僥倖を、わたしたちはどう考えるべきでしょうか。 JK