9月10-12日、加賀温泉で開かれた日本バプテスト連盟全国教役者研修会に参加いたしました。おかげで生まれて初めて北陸新幹線に乗ることができました。
教役者とは、牧師や主事等、教会から招聘され、職務・肩書きを得ている人すべてを指す、日本バプテスト連盟内の専門用語です。他の教派では「教職」が一般的だと思います。今回の研修会は、連盟宣教部が主催したもので、各地で行われている「協力伝道会議」の教役者版という性格がもたされていました。
新しい連盟のかたちを模索するために、13の地方連合で行われている協力伝道会議。東京地方連合(東京都と千葉県)では、11月23日と2月16日の二回開催が予定されています。
バプテストにおいては各教会が教役者を主体的に招聘します(招聘制度)。また各個教会の上位集団としての教職集団の存在を認めません(会衆主義)。だから教役者もその教会の一教会員となります。教役者は教会のものであり、教派としての連盟のものではないというのが伝統的な考え方です。
しかし近年この伝統的考え方に修正が加わっています。「各個教会による各教役者の所有」ではなく、「連盟全体による教役者全体の共有」という考え方への移行/修正です。わたしもこの方向性に賛成です。
たとえば、かつてそれぞれの教会に委ねられていた教役者の年金も、8年ほど前からでしょうか、宗教法人である連盟が一括して厚生年金に加入することになりました。全国の教役者は「連盟職員」とみなされたわけです。
あるいは教役者によるハラスメント加害が起こった際、被害者は教派としての日本バプテスト連盟を訴え、法人の責任役員会である連盟理事会が対応します。各教会の自治による招聘という言い訳が許されない場合もあるのです。
国会議員と同様に女性教役者が著しく少ないという課題も、教役者全体という枠組みで考えなくては解決されないでしょう。
「教役者間の給与の不平等」も以前から指摘されています。今回の研修会では、赴任する地域によって平均(!)給与で200万円の差があることが報告されました。大都市圏を抱える地方連合の教役者給与が比較的高いとのことです。この差を教役者個人の責任に帰すのは酷です。
協力伝道献金という公金を用いて貧しい教役者を支援するか、あるいは現在の神学校献金の使途を神学生への奨学金だけではなく卒業後の教役者支援にまで拡大するか、何らかの新しい仕組みが採り入れられることを望みます。JK