2019/06/26今週の一言

泉教会も団体会員である「公正・平等な選挙改革にとりくむプロジェクト(とりプロ)」が共催して、6月30日に参議院選挙前の公開討論会が行われます。公開討論会とは、立候補予定者や政党代表らが公約や政策を有権者の前で論じ合うイベントです。日本青年会議所やその地方組織が、20年以上前から熱心に公開討論会を全国で開いています。今回も東京青年会議所が主催、とりプロも数ある共催団体の一つに連なるという形で協力しています。

日本青年会議所は、多くの自由民主党議員を輩出している組織です。独自の改憲案も発表しています。それは、わたしの「憲法私案」とはかなり立ち位置の違う改憲案です。多分、イベントの実行委員の多くは(実に若い面々です)、政策的にも異なる立場の人々であろうと推測しています。

しかし、有権者にとって有意義な選挙を形作りたいという点や、現状の選挙の仕組みを何とか改善したいという点において、東京青年会議所はわたしと意見が一致しています。選挙制度というものは民主社会の中の「共通の土俵」なので、その改善のためには政治的意見が異なる人とも協力できます。実に、異なる意見が共存しつつ協力したり競合したりすることが、憲法の保障する民主政治体制なのです。この意味で野党こそ大切に扱われるべきです。

わたしたちに共通の目標は政策本位の選挙の実現です。政治を身近にし、自治の担い手となり、政治を自分のこととして引き受ける。有権者自らが最も自分に政策意見が近い候補者を選ぶという選挙です。

政策本位の選挙は、政党が政党らしく機能することを前提にしています。わたしたちの生活の「困った」を、調査して政策としてまとめあげ、議席を獲得したら投票してくれた人々を代表して公約した政策を実現する。それが政党の仕事です。たとえば20%議席を獲得したら、約束した政策の20%ぐらいは政権与党から話し合いのもと引き出すぐらいの交渉を、国会でしてもらいたいものです。

公開討論会は主権者の「知る権利」を保障する試みです。本来は誰もが自由に、教育現場も含め、日常的に政党や政治家と政治を語ることが理想です。残念ながら現行公職選挙法は、「べからず法」と揶揄されるごとく規制だらけです。選挙運動期間にだけ選挙運動が許され、しかも、できる選挙運動はとても限られています。特に一般市民は、何が許されているのかもよく知りません。そういう事情で、選挙運動期間よりも前に選挙運動に当たらない形で、公開討論会を開かざるを得ないのです。

とりプロは、登壇する政治家に、選挙運動の自由化を求める質問をぶつける予定です。この件に関する各政党の「公約」を引き出すためです。 JK