【ルツ記1章】
17 貴女が死ぬところにおいて私は死にます。そしてそこで私は葬られます。このようにヤハウェが私に行うように。そしてこのように彼が再びするように。実際、その死は私と貴女との間を離れさせるであろう(けれども)。
18 そして彼女は彼女が彼女と共に歩むことに尽力し続けていることを見ました。そして彼女は彼女に向かって語ることを止めました。
17節までがルツの発言です。ルツはナオミが死んだ後もベツレヘムに住み続け、同じ墓に入ることを希望します。二文目と三文目は直訳では意味を取りにくいものです。多くの翻訳は「誓いの定式」と理解して、「このように(私が行わないならば)ヤハウェが(私に対して罰を)二回行うように。」とします。「誓いの定式」であっても、かなり補わなくては文意が通じません。直訳は上記の通りです。
おそらくルツは死ぬまでナオミの世話をすることを前提にして、ナオミの死が二人を離れさせるという厳然とした事実を告げています。一人残ってもベツレヘム住民として暮らすというのです。
ヘブライ語原文に鉤括弧はありません。文脈から18節からは地の文、物語話者の語りと判断できます。判然としない場合は読者がどこからどこまでが登場人物の発言かを解釈する必要があります。
18節一文目は、「ナオミはルツがナオミと共に」と「彼女」を特定できます。しかし二文目はどうでしょうか。こちらの「彼女」については、ナオミとルツが交代可能です。ナオミがルツへの説得を止めたのか、それとも、ルツが最後まで自分の主張を出し尽くして語ることを止め黙ってナオミに付き添ったのか、どちらもありえそうです。「あなたはどう読むか」が問われています。JK