【ルツ記2章】
21 そしてモアブ人〔女性形〕ルツは言いました。「彼は私に向かってこうも言いました。『私に属する若者たち〔男性形〕と共に貴女は密着すべきです。彼らが私に属する全ての収穫を終えるまで。』」
22 そしてナオミは彼女の義理の娘ルツに向かって言いました。「良かった。私の娘よ。なぜなら貴女は彼の若者たち〔女性形〕と共に出て行ったからです。そして彼らは貴女に他の畑で会えないでしょう。」
ルツ記は全部で85節あります。2章21節はちょうど真ん中にあたります。モアブ人ルツの発言が真ん中にあたることは、ユダヤ人社会における寄留者・やもめの小さな声がルツ記全体の中心メッセージであることを炙り出しています。小さくされている人の声をわたしたちは聞き取るべきなのです。
21節のルツの言葉は、ボアズの実際の発言とずれています。ボアズはルツに女性労働者たちと密着するようにと言っています(8節)。しかしルツはボアズの発言を男性労働者たちに変えています。記憶違いでしょうか。麦の束から穂を抜き落として拾わせていたのが男性労働者(刈る者)たちだったからでしょうか。
ナオミは女性労働者たちと共に町から畑へとルツが出て行った姿を見て、ユダヤ人女性労働者たちとルツがうまく混じっていることに安心していました。さらにルツの報告によって畑では男性労働者たちとも協働できるようにボアズが計らってくれたこと、収穫完了まで労働契約が続くことにも安心しました。
最後の言葉は理解しにくい一言です。ユダヤ人男性労働者たちもまたモアブ人女性ルツと共に労働できるのだから幸いであるという趣旨ととります。ルツが男性労働者に言及したからこそ生まれたナオミの言葉です。労働環境において多様性の確保は重要です。ボアズの畑は良い職場です。JK