【3章】
10 そして彼〔ボアズ〕は言いました。「貴女〔ルツ〕はヤハウェに祝福され続けています。私の娘よ。貴女は貴女の信実(を)最初よりも最後(に)良くしました。仮に貧しくてもまた仮に富んでいても、その選ばれている者たちの後ろを歩かないこと(で)。 11 そして今、私の娘よ、貴女は恐れてはいけません。貴女が言う全てのこと(を)私は貴女のために行います。なぜなら私の民の門の全ては、貴女が有能な女性/妻であるということを、知り続けているからです。
前節までにルツの大胆な申し出がありました。ルツは義母ナオミの親戚であるボアズに、「モアブ人であるわたしと結婚せよ。あなたには義母とわたしを赤貧から解放する責任があるのだから」と鋭く要求したのでした。
ボアズはルツの勢いにたじろぎながらも常日頃思っていることもまとめて回答しています。ボアズによればルツはヤハウェ神に「祝福され続けている」存在です(受動分詞)。なぜならば、ルツが自分自身持っている「信実」を良くし続けており、「常に今が最高」の状態を維持しているからです。「信実」(ヘブライ語「ヘセド」)は、しばしば神の特質とされる美徳です。いつまでも続く愛であり、信頼に値する誠実さです。新約聖書のアガペーと似ています。「選ばれている者たちの後ろを歩かない」道を選ぶということは、世間体から自由であるということでしょう。そのような人が信実な人なのです。
ボアズは、ルツの言う通りに行うと約束しました。ルツの信実がボアズを動かします。「町の門」はベツレヘムの自治を行う広場です。すでにルツが公の意思決定機関から「有能な女性/妻」と認められていることをボアズは知っています。「有能な女性/妻」という表現は箴言31章10節とまったく同じです。確かに箴言31章10-31節は、ルツの人となりを伝えています。JK