【4章】
7 そしてこれは以前イスラエルにおける、その贖いについて、また、その交換について出来事の全てを確立するための(ことです)。(すなわち)男性は彼の草履(を)脱ぎました。そして彼は彼の隣人に与えました。そしてこれがイスラエルにおけるその立証。 8 そしてその贖う者はボアズに言いました。「貴男は貴男のために買いなさい。」そして彼は彼の草履を脱ぎました。
この記事と関連する法律は申命記に記されています。死者の妻と死者の親族が結婚するという義務です。レビラート婚と言います。死者の夫と死者の親族は結婚する義務がありません。男系の家を存続させるという趣旨の規定です。この趣旨を実効化するために、レビラート婚契約を拒む親族(「男性」7節)は靴を脱がされ顔に唾を吐きかけられ、恥辱を受けるという懲罰も定められています(申命記25章5-10節)。
ボアズに対面する「その贖う者」(8節)は、ここで自ら靴を脱いでいます。彼は第一位の贖う者の地位をボアズ(第二位の者)と「交換」(7節)します。申命記の規定と似て非なる行動です。申命記によれば、長老たち/ボアズが彼の靴を脱がせ、そして彼の顔に唾を吐きかけ、「靴を脱がされた者の家」と公表すべきです。懲罰の内容は簡略化され、そして義務を放棄した者の自由意志や尊厳が尊重されています。「貴男のために」(8節)という言葉にボアズへの尊重も伺えます。
法律に書いてある通りに人間は生きているわけではありません。古代であっても現代であっても、条文と条文の運用には差があり、法律と生活の間にも差があって当然です。拡大解釈や縮小解釈、類推適用などがありえます。聖書においてさえもそうです。ベツレヘム住民のように「律法」の一部でさえも、柔軟に解釈して相互の尊厳を尊重したいものです。JK