2024/02/28今週の一言

 今回はベタニヤ村のマリアです。彼女のきょうだいにはマルタとラザロがいます。

 マリアは空気を読まない人物です。マルタが忙しい時にも、ゆっくりとイエスの話を聞くことを選びます(ルカ10章40節)。マルタがイエスを迎えに立つ時もマリアは無視して座り続けます(ヨハ11章20節)。また会食の時に、楽しい交わりを中断する形で、イエスの頭に香油を注ぎます(同12章3節)。彼女は周りに忖度をしません。自分のしたいことを自分のしたい時に自分のしたい方法で行い、他人から嫌われようが気にしません。

 女性による油注ぎ物語は、四つの福音書に記されています(マタ26章、マコ14章、ルカ7章)。「食事中に女性がイエスの頭に香油を注いだ」ことが共通しています。それ以外の要素については四福音書間でばらつきがあります。

ヨハネ福音書は「マリアによる油注ぎ」を重視しているので、出来事が起こる前に予告さえしています(同11章2節)。家長マルタを押しのけた「マリアとその姉妹マルタ」(同11章1節)という表現に、11章から12章までの物語の頂点はマリアによる油注ぎであることが示唆されています。マリア重視の姿勢は、イエスの復活後ベタニヤ村に教会が創設された時に、マリアがマルタと並ぶ重要な教会指導者となったことを示唆しています。

油注ぎは王を指名する時の儀式です。イエスの十字架と復活の前に、自分の王を自分で決めたマリアの信仰は一つの手本です。それだから、イエスは空気を読まない彼女の行動を最大限に評価しています。JK