11月16日の聖書のいづみは休会でした(11/16-18日本バプテスト連盟定期総会のため)。また、23日もお休みいたします。こちらは元々「国民の休日」ですが、その日たまたま東京地方バプテスト教会連合の「宣教会議」という行事が開催されます。連盟と連合、色々と考えさせられる季節です。
バプテストにおける「全国連盟」と「地方連合」の関係は、他の教派に比べて特徴的です。つまり、単純な「全国組織」と「その地方支部」の関係ではないのです。泉バプテスト教会は、日本バプテスト連盟Japan Baptist Conventionにも、東京地方バプテスト教会連合Tokyo Baptist Associationにも、同時に重複して加盟しています。他の教派のように、地方の「教区」が全国の「教派」の構成要素とはなっていない、つまり上下関係ではないことが要点です。
歴史的には「地方連合Association」の方が、「全国同盟/連盟Union/Convention」よりも起源が古いものです。各個教会主義を採るバプテスト教会があえてグループを形成したのは、英国ロンドンで30のバプテスト教会による地方連合結成が嚆矢となります(1651年)。英国では、その後1891年に各地様々な地方連合の大合併が起こり、全国規模の「バプテスト同盟The Baptist Union」が結成されます。ちなみに日本でも「日本バプテスト同盟Japan Baptist Union」という似た名前の全国組織があります。ともかく地方組織が先、全国組織が後です。
米国でも事情は似ています。最も重要なフィラデルフィア地方連合は1707年に5つの教会によって結成されました(ペンシルベニア植民地)。独立後フィラデルフィアを中心としつつ、国外宣教の課題のために、1814年に南北11州から成る「アメリカ・バプテスト外国伝道総連盟The General Convention of the Baptist Denomination in the United States for Foreign Missionsが結成されます。三年に一度総会Conventionを開く慣例から、Triennial Convention(三年に一度連盟/総会の意)と呼ばれた全国組織です。この後、南北戦争を機に南部連盟と北部連盟に分裂しますが、ここにも地方連合が先・全国連盟が後という順番が見られます。
東京地方連合やその他の12の地方連合は、英米とは異なる仕方で成立しました。1947年結成の日本バプテスト連盟という全国組織の決議(1961年)により、13の地方連合が上から設立されたのでした。日本においては全国組織が先にあり、地方連合が後に、しかも全国組織主導で設立されたわけです。ここに、わたしたちが犯しやすい誤解、つまり「地方連合は連盟の下請けなのだ」という誤解の遠因があります。JK