7/18の祈り会ではミカ書5章1-14節を学びました。
旧約聖書の預言書のうち、特に「メシア預言」と呼ばれるものに注目して学びを続けています。メシア預言というのは、新約聖書の著者・編集者たち(キリスト教徒)によって、「この発言はイエス・キリストの到来を予見している」と解釈されているものを指します。ミカ5:1は、マタイ2:6に引用されているメシア預言の一種です。
ミカはメシアを「いと小さき者」と表現します。それはクリスマス物語における赤ん坊のイエスを彷彿とさせます。ミカはエルサレム攻囲戦(前701年)における大国アッシリア軍の包囲という現実から、メシアは小さい者であるという希望を語ります。クリスマス物語において、東方(アッシリアも含む)の占星術の学者が赤ん坊イエスを取り囲んで拝むことは、悲惨なエルサレム攻囲戦を裏返した祝賀なのです。
ミカは二つの希望と理想を語ります。一つは、神による武装解除がイスラエルで行われることです。武器や基地を神自らが絶つ、その日を希望しながら、天の御心を地上でも行うことが必要です。憲法9条の戦争放棄と響き合う希望と理想の言葉です。
二つ目には、神のみを礼拝することです。これもまた、神ご自身がいつか完全に全ての人に実現させる信教の自由です。憲法の人権保障条項の中心には「内心の自由」「思想信条の自由」があります。この自由が保証されている程度に、その国の立憲民主主義の成熟度が比例すると言われます。特に少数者の信じる自由/信じない自由が手厚く守られなくてはなりません。日本の現実はまだまだであると思います。基本的人権の尊重の完全実施も希望と理想の言葉です。
自民党の改憲草案2012年版は、平和主義・基本的人権の尊重・国民主権という三大原則を壊す内容を持っています。上記の理想がいまだに実現しきれていないうちから、「国防軍による武装」「習俗にみなされる多数派宗教や国旗国歌を国家は国民に押し付けても良い」というように改憲することは、「壊憲」とさえ言える暴挙です。希望と理想を掲げ続けたいものです。(JK)