【ルツ記1章】
15 そして/しかし彼女は言いました。「ごらんなさい。貴女の義姉は彼女の民に向かってまた彼女の神/神々に向かって戻りました/戻りつつあります。貴女は貴女の義姉の後ろに(ついて)戻りなさい。」
16 そして/しかしルツは言いました。
一訳:「貴女は、貴女を棄てることを、貴女の後ろから(離れて)戻ることを、私に願わないでください。
二訳:「貴女は、貴女の後ろから(離れて)戻るために貴女を棄てることを、私に願わないでください。
1訳:なぜなら貴女が行くところに向かって私は行くからです。
2訳:実に貴女が行くところに向かって私は行きます。
そして貴女が泊まるところにおいて私は泊まります。貴女の民は私の民。そして貴女の神/神々は私の神/神々。
15節のナオミの発言時オルパの後姿は見えていたかもしれません(「戻りつつある」を採る場合)。ルツもオルパの後ろに従うべきとナオミは勧めます。ヘブライ語の「神」は複数形で書き表します。文脈次第では「神々」とも訳せます。15節は「モアブの神々」かもしれません。では16節のルツの発言はどうでしょうか。
16節の一訳の立場は、ナオミを棄てることとルツの帰国は同格・同等です。二訳の立場はルツの帰国が目的となりナオミを棄てることは手段となります。自分の帰国のために義母を棄てることなどできないという含意です。「貴女の民は私の民」というルツの決意に、ベツレヘム住民は応えられるのでしょうか。ユダヤ人がモアブ人を同じ民と認めることができるかが続く物語で問われます。JK