2022/12/21今週の一言

クリスマスおめでとうございます。

 クリスマスは、神の子イエス・キリストが世界に到来したことを祝う日です。イースター(復活祭)やペンテコステ(聖霊降臨日)と並ぶ、キリスト教の三大祝祭日の一つです。この三つの中でクリスマスは、最も遅く制定されたこともあり、ローマ帝国/文化との関係がいろいろな意味で深い祝祭日です。

 キリスト教発生時、ローマ皇帝は「神の子」という称号も持っていました。ナザレのイエスを「神の子」と礼拝することは、帝国の秩序を揺るがせることにもなりえる行為でした。キリスト教会が発生当初から数世紀にわたってローマ帝国によって断続的に迫害された理由の一つです。

 迫害を受けている時にキリスト信徒たちは、「夜明け前」を体感していました。一日のうちで最も気温の低い時間帯です。クリスマスの時と同じように、もう一度救い主が到来する、夜明けとともに「義の太陽」が昇るのだと希望しました。

 さて当時のローマには冬至に太陽神を祀るお祭りがあったそうです。その趣旨は、上記のキリスト信徒の忍耐と希望に重なります。一年のうちで最も夜が長い日の次の日から、確実に日は長くなっていくからです。

 紀元後4世紀ローマ帝国は、キリスト教を公認し国教化しました。迫害しても信徒数が減らずに、むしろ増えていくことによる政策転換です。ローマ皇帝ではなく、イエス・キリストが神の子であると、国家が認めたということです。もっとも国教化まではすべきでなかったとも思います。また、どこまで行っても北半球中心の話ではありますが。

ともかくこうした経緯を経て、クリスマスは12月25日と定められました。ローマ文化と、キリスト教信仰が絶妙に交じり合ったゆえの結果です。固定祝日となったことも日本における普及を促進しました。すべては神の導きです。JK