2024/03/27今週の一言

この度『超実践 ヘブル語文法の手ほどき』をいのちのことば社から出版することとなりました(4月10日発行)。『超入門 ヘブル語のススメ』(2022年)、『ヘブル語語彙集』(2023年)に引き続くもので、三部作の完結編となります。誰もが旧約聖書原典を読めるようにと期した、素人の素人による素人のためのシリーズです。

 不思議な導きを感じています。西南学院大学神学部生時代は、ヘブル語を苦手とする「落ちこぼれ」だったからです(1990年)。牧会に出てからの独学でも歯が立たず米国留学をすることとなります(1999年)。そこで恩師ナンシー・デクラッセ=ウォルフォード教授に出会い、ヘブル語のコツや教える楽しさをも教えていただきました。この出会いは復活のイエスが眼前に現れてくれた出来事です。

 帰国後、「落ちこぼれ」を生み出さないために必要な道具は何かを考えました。そうして、①「ナンシー式」のヘブル語初級文法書、②初心者向けヘブル語語彙集、③ナンシー教授独特のヘブル語の教え方の三点に思い至りました。

 2002年以来勤めた志村バプテスト教会の熱心な教会員方が聖書語学教室を開いてくれました。その時から②語彙集をコツコツと作成し続けました。2006年から東京バプテスト神学校でもヘブル語を教えることが許され、①の初級文法書を順次作成して学生相手に用い始めました。また、③教え方も彼女を真似て、とにかく褒めて育てることといたしました。さらに必要なものは実践の紹介でしょう。

2013年より泉バプテスト教会で毎週の説教を担う中で、拙い私訳の提示を始めました。原典には思いもよらない表現があるものです。単語レベルでも多種多様な意味の幅があります。それらから与えられる新鮮な驚きが、多様な解釈の可能性へと至る着想の源です。今般出版の三部作完結編は、①②という道具の使い方を手ほどきしつつ、原文から説教までの実践例を紹介する本です。JK