2025/12/17今週の一言

クリスマスおめでとうございます。

クリスマスは、神の子イエス・キリストが世界に到来したことを祝う日。イースター(復活祭)やペンテコステ(聖霊降臨日)と並ぶ、キリスト教の三大祝祭日の一つです。この三つの中でクリスマスは、最も遅く制定されたこともあり、いろいろな意味でローマ帝国の政治/文化との関係が深い祝祭日です。

紀元後1世紀キリスト教発生時、ローマ皇帝は「神の子」という称号も持っていました。ナザレのイエスを「神の子」と礼拝することは、帝国の秩序を揺るがせることにもなりえる行為だったのです。キリスト教会が発生当初から数世紀にわたってローマ帝国によって断続的に迫害された理由の一つです。

迫害を受けている時にキリスト信徒たちは、「夜明け前」の寒さを体感していました。それは一日のうちで最も気温の低い時間帯です。クリスマスの時と同じように、もう一度救い主が到来する、夜明けとともに「義の太陽」(キリストのあだ名)の光が温かさをもたらすのだと希望しました。

さて当時のローマには冬至に太陽神を祀るお祭りがあったそうです。その趣旨は、上記のキリスト信徒の「光」を待つ忍耐と希望に重なります。一年のうちで最も夜が長い日(冬至)の次の日から、確実に日は長くなっていくからです。

4世紀ローマ帝国は、キリスト教を公認し国教化しました。迫害しても信徒数が減らずに、むしろ増えていくことによる政策転換です。国策としてキリストは「神の子」となり、それを信じない者は帝国臣民ではなくなりました。国家により弾圧された者が国家の名で「異教徒」「異端」を抑圧する逆転が始まります。

ローマ文化・政治とキリスト教信仰が交じり合う複雑な経緯の結果、クリスマスは12月25日と定められました。光あるところに影あり。クリスマスは光と闇を見つめ直す季節です。否定をくぐりぬけての肯定に妙があります。 JK