2025/12/24今週の一言

今回は、18年間腰を伸ばすことができなかった、名の知られていない女性を取り上げます。ルカ福音書13章10-17節にのみ登場します。

この女性は18年もの長い間、弱さの霊を持ち続けていました(11節、直訳風)。古代人は病気に罹ることを、得体のしれない弱さを持つことと表現していたのです。彼女は起立した状態で腰を真っ直ぐにすることができません。腰を折り曲げて歩くという不便を抱え続けていました。

彼女の町の会堂は、女性たちに対して開かれた態度を持っていたのでしょうか。安息日の礼拝に男性たちと並んで彼女は出席していました。自宅から這い出し、地面を見ながら時々目を上に上げて、400メートル以内にある地元の会堂に毎週通うことが彼女の楽しみです。礼拝では旧約聖書の「律法」(トーラー)が一年かけて朗読され、そして「預言者」(ネビイーム)のうち律法と関連のある個所(ハフトーラー)が朗読されます。さらに、それらの聖句に関して、律法学者たちが解き明かしてくれるのです。

最近の彼女の「推し」はナザレのイエスです。彼の聖書解釈には力がありました。彼女は帰り道イエスの教えをかみしめ、軽やかに帰宅していました。

そんなある日のこと、礼拝も終わりそろそろ帰ろうかと腰を上げた時に、イエスが彼女を呼び寄せます。彼が「女性よ、あなたはあなたの弱さから解かれた」と言って、彼女の腰の辺りに両手を置くと、不思議なことが起きました。腰がまっすぐに伸び、自由に上半身を動かすことができるようになったのです。

女性に対して開かれていたはずの会堂の管理者が、この件では偏頗な態度でイエスを詰問します。「医療行為は安息日以外の日にすべき」というわけです。「それは偽善だ。アブラハムの娘として礼拝を共にしているではないか」とイエス。彼女は、イエスの律法解釈がその行動と一致していることを知りました。JK