2026/03/04今週の一言

幼稚園では月刊誌『キリスト教保育』に基づく暗唱聖句を月ごとに掲げ、子どもたちと一緒に覚えています。3月の聖句は箴言16章9節後半、「主が一歩一歩を備えてくださる」(新共同訳聖書)。良い言葉だと思いながらも、「一歩一歩」という訳語が気になりました。ヘブル語では何と書いてあり(「足、足」とでも書いてあるのか)、諸翻訳はどのように解釈しているのでしょうか。

*直訳風私訳:人間の心は彼の道(を)思う。そしてヤハウェは彼の歩み(を)立てる。

*ギリシャ語訳:καρδία ἀνδρὸς λογίζεται ὁδοὺς αὐτοῦ, ὁ δὲ κύριος κατευθύνει τὰ διαβήματα αὐτοῦ.

男性の心は彼の諸々の道を考える。一方その主は彼の諸々の歩みを導く。

*新共同訳:人間の心は自分の道を計画する。主が一歩一歩を備えてくださる。

*聖書協会共同訳:

人間の心は自分の道のことに思いを巡らすが 主がその一歩を確かなものとする。

*口語訳:人は心に自分の道を考え計る、しかし、その歩みを導く者は主である。

*文語訳:人は心におのれの道を考へはかる。されどその歩履を導くものはヱホバなり。

*新改訳:人は心に自分の道を思い巡らす。しかし、が人の歩みを確かにされる。

*岩波訳:人の心は、その道を考え出すが、その歩みを導くのは、ヤハウェである。

*Revised Standard Version:A man’s mind plans his way, but the Lord directs his steps.

*Jewish Publication Society:A man may plot out his course.  But it is the Lord who directs his steps.

原文の「道」「歩み」は単数です。「一歩一歩」、また「導く」という解釈は、古代ギリシャ語訳に由来します(a manも)。二回の「彼」をそれぞれ誰とすべきでしょうか。そして一文目と二文目の繋がりを順接(and)とすることは不可能でしょうか。大方のように逆接(but)なのでしょうか。「あなたはどう読むか」(ルカ10:26)。JK