今週から祈り会が冬休みに入りました。そこで、今週の一言は随想風に。
※なお、1月から教会員向け「祈り会」を、幼稚園保護者向け「マナクラブ」と併せます。名称を「聖書のいづみ」とし、開催日時を毎週水曜日午前10時20分から11時20分とします。執事会決議。
先週行われた衆議院議員選挙の投票率の低さに大きな衝撃を受けました。有権者の52%しか参与しないとは。政治的立場の違いを超えて、参加者の少なすぎる選挙は民主主義の根幹を揺るがす危機と言えます。地方自治体議員・首長選挙の投票率のさらなる低さにも視野を広げた報道もなされるべきです。この国の草の根から民主主義が錆びついているのですから。
絶望の闇が覆う中にも希望の光を見出すのがクリスマスの季節の醍醐味です。二つの国の事例にヒントを得ます。一つは韓国です。「『慰安婦』問題は韓国政府の外交カード」などと刷り込まれがちですが、実態は異なります。むしろ韓国政府は日本政府と同様にこの問題に蓋をしたいのが本音です。しかし80年代からの民主化闘争があり、90年代からの「慰安婦」とされた被害者の証言に基づく裁判所の判決があり、政府もこの問題に取り組まざるを得ない世論が確立しているのです。その結果、朴正煕の娘でさえ「慰安婦」問題を取り上げざるを得ないわけです。韓国からは、民が主人公となって政府を動かすガッツを学びます。
もう一つはスウェーデンです。総選挙投票率85%が当たり前である国の実践も示唆に富みます。スウェーデンはオンブズマン制度を世界に先駆けて導入しました。市民による行政・司法の監視制度、いわば国政の「四権目」です。またインターネットによる直接民主制も試行しています。選挙は国会議員・県会議員・市会議員みな一斉に四年に一度です(解散なし)。国民は18歳で選挙権も被選挙権も持ちます。国籍がなくても3年以上住んでいれば県会議員・市会議員選挙への選挙権を持ちます。一院制(349名)の国政選挙は中選挙区の比例代表制度です。選挙期間が設けられていませんし、選挙活動にほとんど規制がありません。スウェーデンから学ぶことは、政治参加の意欲を促す巧みな制度づくりです。
「あきらめたら民主主義は錆びつく」(保坂展人世田谷区長)。2000年前、辺境の地に生まれた神の子・人の子の実践に倣いたいと願います。それは民衆にガッツを吹き込み、巨大帝国の制度を変革させる力を持っていました。 JK