出エジプト記13章19節
モーセはヨセフの骨を携えていた。ヨセフが、「神は必ずあなたたちを顧みられる。そのとき、わたしの骨をここから一緒に携えて上るように」と言って、イスラエルの子らに固く誓わせたからである。
わたしたちは今、泉バプテスト教会に連なり、先に天に召された方々を記念するために集まっています。
今年は出エジプト記を説教で取り上げていますので、それに沿ったかたちでヨセフの骨についてお話をします。ヨセフはイスラエル人でありながらエジプトの総理大臣となって親族のいのちを救った人物です。また、エジプト国内や周辺諸国の飢饉からも多くの人々を救いました。
ヨセフは国葬されエジプトに埋葬されます。そのことは分かっていたのですが、しかし彼は遺言をしました。「イスラエル人はエジプトに寄留するけれども、必ず約束の地に戻るときがくる。そのときには必ず自分の骨を携えて戻ってほしい。そして約束の地に埋葬してほしい」。ヨセフは、自分の骨(≒自分自身)がエジプトにいつまでもあることは良くないと考えていました。エジプトは寄留の地でしかないという考えです。
そしてモーセと後継者のヨシュアはその遺言を尊重して、約束の地に入った後にヨセフの骨を埋骨します(ヨシュア記24章32節)。
教会が墓地を所有する意味は何でしょうか。それは約束の地に入るまで死者たちの骨を携えることに似ています。わたしたちはみな地上では寄留者です。教会は世界という荒野を旅する民です。地上に残された死者たちの骨は、わたしたちがまだ約束の地に入っていないことを示すしるしです。
世の終わりが来る時にわたしたちはみな約束の地に入り、イエスさまと死者たちと祝宴を囲みます。天上の者・地上の者・地下の者もすべての舌が「イエスは主である」と告白し礼拝をします。その時までわたしたちはヨセフの骨を携えて歩みましょう。