2023/06/21今週の一言

【4章】

9 そしてボアズはその長老たちとその民の全てに言いました。「貴男らは証人たち、今日。なぜなら私はエリメレクに属する全てを、またキルヨンとマフロンに属する全てを獲得したからです。ナオミの手から。 10 そしてモアブ人ルツ、マフロンの妻もまた、私は私のために妻として獲得したその死者の名前を彼の嗣業について起こすために。そしてその死者の名前は彼の兄弟と共なるところから切られません。また彼の場所が城門から(切られません)。貴男らは証人たち、今日。」

ボアズの発言全体は、冒頭と末尾に置かれた「貴男らは証人たち、今日」(9・10節)に挟み込まれています。そして、その間に「その死者の名前」が二回繰り返されています(10節)。ここには集中構造があります。「証人たち」→「死者の名前」→「死者の名前」→「証人たち」という配置の場合、一回目の「死者の名前」と二回目の「死者の名前」の間にある部分が、9-10節の中心です。「彼の嗣業について起こすために」という家名存続が主張の根幹です。

」=「その死者」とはルツの亡夫「マフロン」です。この固有名も「獲得した」という動詞と共に二回登場しています(9・10節)。ボアズは相手方の「買いなさい」(8節)という言葉を変えています。「獲得した」(カーナー)はエバがカインを生んだ時の言葉であり、カインの名前の由来です(創世記4章1節)。贖うという行為は親戚の家名断絶を防ぐことという消極的な意味だけではなく、神の創造にも擬される新しい業が始まるという積極的な意味をも持っています。モアブ人女性ルツの「贖い主」であるボアズは、同時に「創り主」の地位にも立ちます。ルツはベツレヘム住民に加えられます。ボアズは長老たちにだけではなく「その民の全てに言った」(9節)とあります。ルツの参加はベツレヘム全体が新しい共同体に創造されることでもあります。教会員が一人加わることと似ています。JK