2023/06/28今週の一言

【4章】

11 そしてその城門における民の全てと長老たちは言いました。「証人たち。ヤハウェが、貴男の家に向かって来る妻を与えますように、イスラエルの家を彼ら〔男性形〕二人が建てたラケルとレアのように。そして貴男はエフラタにおいて有能をなしなさい。そして貴男はベツレヘムにおいて名前(を)呼びなさい。 12 そして貴男の家が、タマルがユダのために生んだペレツの家のようになりますように。ヤハウェがこの若者〔女性形〕によって貴男のために与える子孫によって。」

9節の時点でも「民の全て」と呼ばれるベツレヘム住民は登場しています。贖う者が誰となるのか、話し合いが経過するにつれ住民の多くが関心を寄せ、城門の周りに集まってきます。十人の長老たちだけではなく、住民全員が「証人たち」となります。9節では「長老たちと民の全て」であったのに、今や「民の全てと長老たち」となりました。ルツもいたかもしれません(12節「この若者」)。

住民の総意であるボアズに対する祝福には特徴があります。家父長制に抗して女性たちを前面に出していることです。11節はルツ自身がボアズの家に「向かって来る」意思を持っていることを示しています。また、ヤコブではなく「ラケルとレア」という二人の姉妹がイスラエルの民を建てたと断言しています。男性形を用いる文法間違えは一種の尊敬の表現でしょう。妹ラケルから言及することで、年長者を優先しない「後の者を先にする神」を賛美しています。ベツレヘムの別名「エフラタ」近辺でラケルが死んだので、特別に彼女を記念しています(創35章)。

ボアズの先祖はレアの子「ユダ」です。「タマル」はカナン人。レビラート婚を軽んじる舅ユダをだましてユダの妻となった傑物です(創38章)。レビラート婚を用いるモアブ人ルツと、「ペレツ」の母タマルは重なり合います。ベツレヘム住民は偉大な先祖たちを引き合いにし「この若者」ルツをほめたたえています。JK