2024/02/14今週の一言

 今回はベタニヤ村のマルタです。

 マルタは姉妹マリアと兄弟ラザロと、エルサレム近郊のベタニヤ村に住んでいました。その家は、放浪の旅を続けるイエス一行の定宿のようです。つまり三人ともイエスの弟子であり、神の国運動を支える「定住の支援者たち」です。三人姉弟という構成は、ミリアム・アロン・モーセ姉弟を思い起こさせます。常にマルタがイエスを出迎えるという図式から、一番の年上・家長はマルタであったと推測されています(ルカ10章38節、ヨハネ11章20節)。

 イエス一行を迎えたマルタは「多くの奉仕(ディアコニア)に関して忙殺され続けていた」(私訳)とあります(ルカ10章40節)。この奉仕を「もてなし(料理を含意)」と狭く理解しなくても良いでしょう。72人の派遣の後に置かれていることを考えても、次の旅の計画を練るというディアコニアであるかもしれないからです。「女性のディアコニアは料理」という先入観から解放されるべきです。

 マルタは復活以前のイエスと救い主と信じて告白をした稀有な弟子です(ヨハネ11章27節)。この類の信仰告白をした人物は、「イエスの一番弟子である」と自認するペトロ以外にいません(マルコ8章29節)。つまりマルタはペトロに匹敵する弟子なのです。この点でマルタはマグダラのマリアに似ています。

エルサレム教会誕生後、神の国運動を支えていた「定住の支援者たち」の自宅が、各地の「家の教会」となったと推定できます。カファルナウムのペトロの義母宅、エリコのザアカイ宅に並んで、ベタニヤのマルタ宅でも、毎主日にイエスを救い主と告白する礼拝が捧げられていたことでしょう。JK