今回はゼベダイの息子ヨハネVIwa,nnhj。「十二弟子」の一人です。
共観福音書におけるヨハネは、ペトロ、兄ヤコブに次ぐ第三位の男性弟子です。ペトロの弟アンデレを凌いでいます。ヨハネ福音書はさらに「イエスが愛した弟子」という特別な地位をヨハネに与えています（ヨハネ13章23節）。彼はイエスの裁判の場面でペトロよりもイエスの近くに居ます（同18章15節）。またイエスの母を介護する者に任命されています（同19章26節）。そして彼は復活のイエスをペトロよりも先に見抜きます（同21章7節）。この意味でヨハネは、マグダラのマリアと共に、ペトロと拮抗しています。
使徒言行録におけるヨハネは、当初ペトロの次席でした（使徒1章13節）。そしてペトロと伍して活動をしています。「美しい門」の奇跡物語（同3章）、最高法院での弁明（同4章）、そしてサマリア伝道です（同8章14-25節）。サマリア伝道はサマリア人に対する憎悪をむき出しにするヨハネの悔い改めとして評価できる出来事です（ルカ9章51節以下）。使徒言行録ではこの後登場しませんが、ヨハネがエルサレム教会の「柱と目されるおもだった人」だったことをパウロも証言しています（ガラテヤ2章9節）。
新約聖書にはヨハネの名前を冠した「ヨハネ文書」と呼ばれる一群があります。ヨハネによる福音書と、ヨハネの手紙一・二・三、ヨハネの黙示録の五つです。パウロの名前を冠した手紙類に次ぐ一大勢力です。伝説によればヨハネは十二弟子の中で唯一殉教せず島流しの末に天寿を全うしたと言われます（黙示録1章9節）。多くの信徒に慕われる教会指導者ヨハネの姿が伺えます。JK
